翌朝、目が覚めると寝返りを打つこともなく同じ姿勢の自分がいた。
夜の間中、看護師さんが見守ってくれていたっけ。
「あ、起こしちゃった?」申し訳なさそうに戻っていく。
「お部屋、暑くないですか?」「少し暑いです」
「体温37.5℃あるね」部屋の室温を下げてくれる。
※検査後、発熱が生じることがある。
暫くすると…「どうですか?」と様子を見に来てくれた。
その後も何度か見回りに来てくれていたと思う。
その優しさが動けないに体に沁み渡った。
話を朝に戻す。
どうやら人の寝返り機能はとてつもなく素晴らしい。
ひと晩動かない状態が続くとどうなるか…
全身カチコチ…どうやって動くのかさえ思い出せないほどだった。
どこにどうやって力を入れればよかった?あれ?どうした、私。
そして痛い…間違いなくこれまで経験した筋肉痛や腰痛の比ではない。
「腎生検」最大の副産物は翌朝に訪れるのであった。
Dr.の診察時間が来て、うつ伏せ姿勢の指示。
「はい」(頭では理解しています、少々お時間をください…)
やっとの思いで指示達成。
「絶対安静解除」となった。問題なさそうだ。
ホッとするのも束の間…自分に号令をかける。「もとい!」
思うように体を動かせないということが
こんなにも歯がゆいということを思い知る。
朝食から座位の姿勢をとり徐々に慣らしていく。
トイレ可、それ以外はなるべくベッド上で過ごす。
洗髪可…前屈みになることは問題なく出来た。
腎生検後の注意点
・引き続き安静を心がけること
・ひと月は腰をひねらないこと
・重いものを持ち上げないこと
・痛みや血尿がでたら知らせること
三日目になるとシャワー入浴が可能だった。
鏡越しに検査痕を確認してみるとほくろのような点が見えた。
後日、検体についてDr.に聞いてみたところ、
赤い糸のようなものだと教えてくれた。
ここから病名が確定され、治療方針も決定していく。
始めは「膜性腎症」と告げられた。
腎生検の検査入院からそのまま入院して治療をすることを希望していた。
他に起因する病気がないかも含め、検査をしていくことになった。
まずは骨密度検査。
腰椎と大腿部のレントゲン撮影…年齢相応であった。
ステロイドホルモン療法のため、副作用として骨粗鬆症が起きやすいそうだ。
※骨粗鬆症の薬を服用している場合、歯科治療をするときにはその旨伝える。
4日目昼から服薬治療が始まった。
他に副作用としては、感染症のリスクが高くなる、血圧や血糖、コレステロール上昇、顔や身体が丸みを帯びる、白内障・緑内障、多毛、精神症状、不眠などなど…。その対処のための薬も処方された。
その晩眠れなかったのは薬の影響らしい。
そして、プレドニゾロンは苦い。
この病気は入院が長くなるよと入院計画書を渡される。
「みんなイライラし出すから、ストレスを溜めないことだね。」
心得:其の五
ずっと同じ姿勢でいることは体への大きな負担となりますの巻